特殊車両通行許可の申請及び審査でいう「トラック」とは、主に貨物を積載し、連結状態になく単体で運行される車両のことをいいます。
トラックは、通常その車両自体の諸元が車両制限令で定める最高限度を超えることはありません。ただし、貨物を積載した状態の車両諸元が車両制限令で定める最高限度を超える場合は、特殊車両通行許可申請が必要になります。
それは次のような場合です。
積載する貨物が車両からはみ出し、かつ車両制限令で定める寸法を超えるもの
ただし、この場合注意しなければならないことがあります。それは次の2点です。
- 車検証に記載された最大積載量を超える重量の貨物を積載することはできません。
- 積載する貨物は分割不可能なもの(貨物が特殊)でなければなりません。
2において、貨物が特殊でない場合は、すべての車両諸元が車両制限令で定める最高限度内に収まるようにし、一般車両として運行することになります。
では、特殊な積載物(分割不可能なもの)とは何でしょうか?具体的には次のようなものです。
- 電柱等、動物、樹木等及びその他類似品
- 大口径管等、コンクリート杭、コンクリート製窓枠、プレハブ建築部材及びその他類似品
- 鉄道用レール及びその他類似品
- 山車、ねぶた、大太鼓及びその他類似品
ここでもうひとつ注意しなければならないことがあります。それは道路交通法とのからみです。
道路交通法では、交通安全上の観点から次のような規定を設けています。
- 長さ:自動車の長さの10%を超えたはみ出しを禁止
- 幅:貨物の幅は車輌の幅を超えないこと
- 高さ:貨物の高さと荷台の高さの合計が3.8m
以上のように法律で定められているため、貨物を積載した状態で上記の規定を超える場合は、出発地を管轄する警察署に届出する必要があるので注意が必要です。