車両制限令という政令で、道路を通行できる車両諸元の最高限度(一般制限値)が定められていることはご存じのとおりです。

でも考えてみたら、なぜ最高限度が設けられているのに、特殊車両の通行許可をとれば限度を超える車両が通行できるのか疑問に思ったことはありませんか?それなら最初から限度なんて設けなくてもいいじゃないかと・・・。

その疑問に対する答えはこうです。

まず、車両制限令で規定されている車両の幅、高さ及び長さなどの最高限度(一般的制限値)は、道路構造上の規格(道路構造令)と同じ考えで規定されています。

この道路構造令に基づいた規格の道路については、徐行等の条件を付せば、最高限度を超える車両についても安全な通行が確保できるとされています。つまり、全く通行できないと禁止されているわけではないのです。

例えば、橋梁を通行する場合に、

・徐行すれば橋梁に対する衝撃を軽減できる。

・対向車線の制限により、橋げたに生じる総荷重を軽減できる。

・大型車交通量が少ない道路では、橋梁に一度に複数の大型車両が載る状況はあまりない。

ということが想定されるので、条件を付けて通行を許可すればよいと行政庁は考えているわけです。

ただし、道路構造は箇所により、また設計年次により異なるので、特殊車両の通行許可は、申請の都度、審査を行うことになっているのです。