道路法のほかにも、道路交通法、道路運送車両の保安基準(国土交通省令)においても、車両諸元について一定の制限がなされていますが、それぞれ次のような違いがあります。

法令による違い

✅法令の趣旨による違い

道路法では、橋梁、トンネルなどの道路構造への影響を勘案して一般的制限値を定めており、乗員と貨物を積載した状態での実際の走行を前提とした基準となっています。また、連結車の重量、長さなどの最高限度も連結状態での値となっています。

道路交通法では、交通安全上の観点から規定を設けています。そのため制動能力や安定性を欠くことのないよう積載重量超過(過積載)を禁止しているほか、他の車両の通行の安全に支障が生じることのないよう貨物のはみ出しを禁止しています。

保安基準では、自動車本体の安全性を確保するために車両単体での規制をしています。そのため連結車では、切り離した状態での個々の車両についての規定となっています。

✅具体的数値の違い

☑長さ
  • 車両制限令 貨物積載状態で12m
  • 道路交通法 自動車の長さの10%を超えたはみだしを禁止
  • 保安基準  自動車の全長が12m

トレーラ連結車の特例

  • 車両制限令 高速自動車国道を通行する場合であり、かつ貨物が前後にはみ出していないものに限り、セミトレーラ連結車は連結全長が16.5m、フルトレーラ連結車は連結全長が18m
  • 保安基準 セミトレーラ連結車は、連結装置中心から車両後端までの距離が12m、トラクタは車長が12m

☑幅

  • 車両制限令 積載状態で3.8m(高さ指定道路においては4.1m)
  • 道路交通法 車両制限令と同じ
  • 保安基準  車両の高さが3.8m

☑総重量

  • 車両制限令 自動車の重量(自重)+乗員の体重+貨物重量が、高速自動車国道及び重さ指定道路では、軸距、車長に応じて20~25t。その他の道路では一律20t
  • 道路交通法 規定なし。貨物の最大積載量は、保安基準に準拠(車検証の記載値)
  • 保安基準 自重+最大定員の体重(一人当たり55kg)+貨物の最大積載量が、軸距、車長に応じて20~25t

トレーラ連結車の特例

  • 車両制限令 バン型などのセミトレーラ、フルトレーラ連結車に限り、最遠軸距に応じて、高速自動車国道は25~36t、重さ指定道路は25~27t、その他の道路は24~27t
  • 道路交通法 規定なし
  • 保安基準  セミトレーラ(被牽引車)は、連結中心から最後軸中心までの距離に応じ、20~28t